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コミュニティ通訳の仕事内容とは?

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この記事は約 12 分で読めます。

コミュニティ通訳

日本語に不慣れで、不自由な生活を送る在日外国人の暮らしを語学で支えるのが「コミュニティ通訳」の仕事です。

例えば、病気になって病院で受診をするとき、役所で行政のサービスを利用するとき、学校で教育を受けるときなど、行政・教育・福祉の場で通訳者が活躍しています。

本記事では、コミュニティ通訳の仕事内容、求められるスキル、なるための方法について書いています。

記事の目次

  • 1 コミュニティ通訳とは?
  • 2 コミュニティ通訳の種類
    • 2.1 学校通訳
    • 2.2 司法通訳
    • 2.3 医療通訳
    • 2.4 行政通訳
  • 3 仕事の魅力とやりがいは?
  • 4 必要なスキルは?
    • 4.1 外国人とコミュニケーションできる語学力
    • 4.2 それぞれの分野で必要な専門知識
    • 4.3 高い倫理観
  • 5 必要な資格はある?
      • 5.0.1 ◎司法通訳向け
      • 5.0.2 ◎医療通訳向け
  • 6 仕事をするには?
    • 6.1 医療通訳
    • 6.2 司法通訳
    • 6.3 学校通訳・行政通訳
  • 7 まとめ

コミュニティ通訳とは?

区役所画像

日本語を話すことができない在日外国人が、病院で治療を受けたり、役所で手続きをしたりするのは大変なことです。そのような人々が、言語が通じなくても困らないように、日常生活のさまざまな場面でサポートをするのがコミュティ通訳の仕事です。

現在、日本で生活する外国人の総数は約223万人。観光やビジネスで日本を訪れている外国人も大勢います。

外国人が安心して日本に滞在するために、コミュニティ通訳は大きな役割を果たしているのです。活躍の場は幅広く、学校や病院、裁判所、警察署、市町村区役所などがあります。

コミュニティ通訳の種類

学校通訳

国内の小中学校に通う外国籍の”子ども”や”保護者”が、学校関係者と円滑なコミュニケーションを取ることができるようにサポートします。

たとえば、海外から日本の学校に転入する場合、転入手続きの方法や学校の制度を理解するのは困難でしょう。また、三者面談などの懇談の場で、子どもや保護者の主張を十分に伝えられなかったために、いじめが見過ごされてしまうようなケースもあります。

そのような事態を避けるために、自治体の主導で国際学級を設けて専門指導員を配置したり、ボランティアの通訳者を派遣したりしています。

学校通訳の場合、それほど高い語学力は求められません。募集は自治体によっても異なりますが、たいていの場合、教育委員会の「教職員人事課」や「学校指導課」によっておこなわれています。興味のある方は、お住まいの地域の教育委員会に問い合わせてみるとよいでしょう。

司法通訳

司法通訳には、「警察通訳」と「法廷通訳」があり、外国人が関係する事件の裁判や警察での取り調べの場で通訳をします。外国人労働者や在日外国人の増加により、司法通訳の需要は高くなっています。

法廷や捜査現場では、言い間違いや文脈の噛み合わない発言もすべてが判断材料になるため、通訳は”一言一句”正確に訳出します。細かなニュアンスまでそのまま伝えなければいけないので、高度な語学力と法律に関する専門知識が求められる仕事です。

司法通訳の仕事をするなら、まずは各都道府県の警察署や裁判所が作成する「通訳者名簿」の登録を目指しましょう。また、司法通訳についてはこちらの記事でもくわしく書いているので、興味のある方は併せて参考にしてみてください。

→司法通訳士になるには?

医療通訳

医療通訳は、病院や調剤薬局などの医療現場で、外国人患者と医療関係者のコミュニケーションを成立させる通訳です。

言葉が通じないと、自分の症状を伝えることも、医師の説明を把握することもできません。正確に症状を伝えることができなければ、患者の命が危険にさらされることもあり得ます。医療通訳者は、医療チームの一員として、外国人が適切な医療サービスを受けられるようにサポートをする重要な役割を担っているのです。

命に関わる現場では、高い語学力と共に、医療の専門知識を備えていることが求められます。医師の説明を患者に伝える際は、逐次通訳(適度に区切りながら訳す通訳法)でおこなわれ、「付け加えない」「省略」しないことが重要です。また、重大な手術に立ち会う場面もあり、大量の血や臓器をみても冷静に対応できるかどうかも試されます。

通訳分野の中でも高度な仕事であるにも関わらず、国内ではいまだ専門職としてみなされていないのが現状です。そのため、医療通訳として病院に勤務する人は稀で、大半がボランティアや通訳エージェントから派遣される通訳者となっています。

医療通訳の需要が高まっている今、医療通訳の職業的な認知、有料提供できるサービスの確立が求められています。医療通訳についてはこちらの記事でもくわしく書いているので、興味のある方は併せて参考にしてみてください。

→医療通訳士になるには?

行政通訳

海外から日本に来たばかりの外国人の場合、言語力にも限りがあるため、日本の行政制度や役所での手続き方法が分からずに困っている人が多いです。

そういった外国人が、市役所や区役所、福祉施設、保育園などで手続きをする際にサポートをするのが「行政通訳」です。とくに関わりが深いのが、転入・転出手続きや外国人登録、国民健康保険、介護保険などの各種手当を受給するための窓口業務です。

それほど高い語学力が求められないため、国際交流や通訳の仕事に興味がある方はチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

行政通訳は、国際交流協会などからボランティアとして派遣されるのが一般的です。通訳として派遣された場合には、交通費として2,000円ほどの報酬を受け取ることができます。

仕事の魅力とやりがいは?

ハート型の雲

日本語で上手くコミュニケーションが取れず、日常生活で困っている外国人の手助けができるのがやりがいです。言葉の不自由な異国での生活は、不便な思いをしたり、不安やストレスを抱えてしまったりする場面が多々あります。

また行政から支援を受けられるにも関わらず、それを知らなかったり、言語が通じなかったりするせいで、手続きができずにいる外国人もたくさんいます。そういった在日外国人の人々を通訳によって援助することで、心から感謝されるだけでなく、どんな人にとっても住みやすい日本社会を築くことができるのです。

コミュニティ通訳は、日本の「おもてなし」の精神を世界の人々に伝えていく重要な役割を担っているといえるでしょう。

必要なスキルは?

外国人とコミュニケーションできる語学力

一般通訳でニーズが高いのは断然「英語」ですが、コミュニティ通訳では、中国語、韓国・朝鮮語、ポルトガル語、スペイン語、ベトナム語、タガログ語などの希少言語が求められます。

ただし、学校通訳・行政通訳は、基本的に”逐次通訳”(適度に区切りながら訳す通訳法)でおこなわれ、そこまで高度な語学力は求められません。それ以上に「人の喜びを自分の喜び」だと感じられる、ボランティア精神を備えているいることが大切です。

必要な語学力の目安は、英語であれば「英検 準1級」程度、「TOEICスコア 730点以上」となっています。スペイン語や中国語などの場合は、それぞれの「言語技能検定試験 2級」レベルであれば問題ないでしょう。

一方、医療通訳と司法通訳は、より高度な語学力が求めれます。

どちらも、人の命や人生にかかわる重大な責任を伴う分野。そのため、話し手の言葉を正確に訳す能力や、細かいニュアンスまで汲み取って伝えられる能力が必要になります。

語学力の目安として、「TOEICリスニングスコア 400点以上」「リーディングスコア 385点以上」は最低でも欲しいところです。

それぞれの分野で必要な専門知識

医療通訳では医学の知識、司法通訳では法律の知識、行政通訳では行政の仕組み・制度・法律といったように、どの分野においても専門知識が必須です。

コミュティ通訳の場合、対象者も子どもから高齢者まで幅広く、自らの必要とする支援の中身について充分に理解していないケースも多いです。専門用語や制度について分かりやすく噛み砕いて説明できるのはもちろん、それぞれの国の文化や価値観に対する配慮も欠かさずに対応することが大切です。

高い倫理観

コミュニティ通訳者に必要な倫理とは、守秘義務を守り、常に公平中立の立場を貫き、正確であることです。

基本的人権と密接に関わる分野で、コミュニケーションの仲介役を務めるのがコミュニティ通訳。倫理原則をしっかりと踏まえたうえで活動することが大切です。

必要な資格はある?

requirement-english

専門性が求められるにもかかわらず、今だ制度が整っておらず、特に必要とされる資格も存在しません。もし「自分の実力を試してみたい!」という方は、民間の団体が実施する検定試験などにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

代表的な試験は以下になります。

◎司法通訳向け

・一般社団法人 日本司法通訳士連合会「司法通訳技能検定」

◎医療通訳向け

・一般社団法人 日本医療通訳協会「医療通訳士技能検定試験」

・一般財団法人 グローバルヘルスケア財団「国際医療英語認定試験」

・一般財団法人 日本医療教育財団「医療通訳専門技能認定試験」

仕事をするには?

医療通訳

医療通訳の仕事をするなら、まずは医療通訳の派遣事業に取り組んでいる団体に登録しましょう。

一般的に仕事をする場合、通訳の実務経験があることが望ましいとされています。経験の少ない方は、仕事をはじめる前に、派遣事業をおこなう団体が実施する「医療通訳育成カリキュラム」や養成講座を開講しているスクールなどでスキルを磨くことをおすすめします。

司法通訳

司法通訳の仕事をするなら、まずは各都道府県の裁判所や警察署が作成する「通訳者名簿」の登録を目指しましょう。

登録をする際、語学力については”自己申請”の場合がほとんどです。そのため、一般社団法人 日本司法通訳士連合会が実施する「司法通訳技能検定」を事前に受験しておくと、語学レベルを証明するのに役立ちます。

※一部地域では試験が実施されることがあります。詳しくは各都道府県の警察・検察・裁判所・弁護士会に確認することをおすすめします。

学校通訳・行政通訳

学校通訳・行政通訳のボランティアをするなら、お住まいの地域の「国際交流振興協会」や「国際交流協会」といった公益財団法人、または各NPO団体の募集状況を確認して登録を申請しましょう。

まとめ

今回は、在日外国人の暮らしを支える「コミニティ通訳」の仕事について紹介しました。

重要な役割を担っているにもかかわらず、質的にも量的にも、通訳者が充分に確保できていないのが現状です。今後さらに在日外国人の増加が見込まれる中、”官民一体”となった対策が求められています。

「コミュニティ通訳として社会の役に立ちたい」「日本の”おもてなし文化”を世界に発信したい」と思う方は、勇気を出してはじめの一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

 

また医療通訳、司法通訳に関しては、以下の記事でもくわしく書いています。

→司法通訳士になるには?
→医療通訳士になるには?

ほかにも、

  • 会議・ビジネス・政治通訳
  • 放送通訳
  • スポーツ通訳
  • 通訳ガイド

といった働き方があります。興味のある方は、参考にしてみてください。

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