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消防官(消防士)採用試験|体力テストの内容と合格基準

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消防士の体力試験

消防官採用試験では、筆記試験や面接のほかに「体力試験」がおこなわれます。

近年、どの自治体でも力を入れている体力試験ですが、「どんな内容なのか?」「合格基準はどれくらいか?」「どんな対策を行えばよいのか?」といった疑問をお持ちの方も多いと思います。

なかには、評価基準について「非公開」としている都市もあり、未知数な部分が多いのも事実。そこで、当記事では、体力試験でおこなわれる内容、合格の基準、攻略する方法についてまとめました。

これから消防士を目指す方は、ご一読ください。

記事の目次

  • 1 体力試験の概要
  • 2 体力試験の内容
  • 3 試験の合格基準と対策方法
    • 3.1 ①握力
    • 3.2 ②上体起こし(腹筋)
    • 3.3 ③腕立て伏せ
    • 3.4 ④長座体前屈
    • 3.5 ⑤反復横とび
    • 3.6 ⑥立ち幅跳び
    • 3.7 ⑦懸垂
    • 3.8 ⑧バーピーテスト
    • 3.9 ⑨20mシャトルラン
    • 3.10 ⑩1.0km走(または1.5km走)
  • 4 体力試験の評価基準
    • 4.1 体力試験の測定基準
    • 4.2 体力試験の級別点数表
  • 5 まとめ

体力試験の概要

ダンベル

消防官採用試験では、ほぼすべての自治体で「体力試験」を課せられます。試験は、筆記試験(1次試験)の合格者に対しておこなわれ、消防業務に不可欠な基礎体力や運動能力を試されます。

多くの受験生は、筆記対策ばかりに気を取られ、意外と体力試験は見落としがち。なかには「思いのほか、ハードでついていけなかった…」という声を聞くこともあります。

近年、体力試験の結果を重視する自治体も増えています。早い段階から、試験の内容や合格基準を確認し、勉強の合間にトレーニングを取り入れていきましょう。

体力試験の内容

試験の内容は自治体によっても多少異なります。一般的には、上体起こし(腹筋)・握力・腕立て伏せ・長座体前屈・立ち幅跳び・反復横跳び・持久走といった種目がおこなわれます。

以下は、東京消防庁・横浜市消防・名古屋市消防・大阪市消防・福岡市消防の試験内容です。ほかの地域も、そこまで大きな違いはありませんが、詳しくは事前に採用ホームページで確認しておくとよいでしょう。

自治体 試験内容
東京消防庁 準備体操・閉眼片足立ち・腕立て伏せ・反復横跳び・長座体前屈・立ち幅跳び・腹筋・2.1km走
横浜市消防 準備体操・握力・腕立て伏せ・上体起こし・幅跳び・反復横跳び・長座体前屈・懸垂・20mシャトルラン
大阪市消防 握力・上体起こし・体前屈・立ち幅飛び・反復横飛び・20mシャトルラン
名古屋市消防 準備体操・握力・上体起こし・上体起こし・幅跳び・反復横跳び・長座体前屈・20mシャトルラン
福岡市消防 握力・背筋力・上体起こし・幅跳び・懸垂・搬送力・20mシャトルラン

試験の合格基準と対策方法

バーベル

体力試験を突破するには、

  • STEP1. 体力試験の内容を知る
  • STEP2. 合格基準と自分の実力を比較する
  • STEP3. 苦手種目を克服する

ことが大切です。ただし、受験する自治体によって、試験内容や合格基準が多少異なります。

下記の目安は、あくまで最低基準と考え、さらに上の記録を目指してトレーニングしましょう。

①握力

【合格基準】
試験では、ヒジを曲げずに腕を伸ばした状態で、握力計で左右2回ずつ測定します。男性なら左右の平均50kg以上、女性なら30kg以上は欲しいところ。ちなみに、成人男性の平均は48kg前後です。

【対策方法】
握力を鍛える器具「ハンドグリップ」を使い、ゆっくりと握る動作と緩める動作を繰り返します。左右20回×2〜3セットを目安におこないましょう。

ハンドグリップは、手のひらサイズで持ち運びが自由なので、どこでもトレーニングできます。握力に自信の無い方は、勉強の合間などを利用して鍛えるとよいでしょう。

注意点は、必ず自分の握力に合った器具を用いること。目安としては、「20回できるかできないか」くらいの強度のものを選びましょう。

また、握力は、トレーニングの効果が現れるまで時間のかかる部位です。変化が見られなくても、あまり気にせず継続しておこなうことがポイントです。

②上体起こし(腹筋)

【合格基準】
試験では、仰向けに寝た状態でヒザを立て、頭の後ろで両手を組みます。足首をパートナーに押さえてもらい、30秒で何回できるかを測ります。

起き上がる際は、両ヒジを両ヒザ(太ももあたり)につけるように意識してください。男性なら30秒で25回、女性なら15回は必要です。なお男性12回、女性5回以下の場合は、不合格となる自治体もあるので気をつけましょう。

【対策方法】
毎日、腹筋30〜50回×3セットおこなえば、誰でも合格ラインに届くと思います。

腹筋する際は、肩甲骨を床につけること、起き上がるときにヒジをヒザにつけることを必ず守りましょう。その点さえ気をつけておけば、本番でも大丈夫です。

③腕立て伏せ

【合格基準】
試験官の合図に従い、一定のペース(2秒に1回)でおこないます。アゴを床につけて1回とみなされ、腕を曲げたまま10秒程度キープ状態を指示されることもあります。

男性なら30回、女性なら15回以上は必須。なお男性14回、女性8回以下の場合は、不合格になる自治体もあるので気をつけましょう。

【対策方法】
勉強の空き時間を利用して、毎日腕立て30〜40回×3セットを繰り返せば、徐々に腕力はついてきます。苦手な方は「10回→15回→20回」といったように、少しずつ回数を増やしていくとよいでしょう。

また、トレーニングをする際は、正しい姿勢でおこなうことを意識してください。試験でも、不正な腕立てには容赦なく注意が入ります。

腕立てをする際は、肩幅に手を開き、両足を揃えます。ヒジを曲げてアゴを床につけ、そこからしっかりと押し上げて1回です。そのとき、アゴを引き過ぎず、背筋を反らさないように気をつけながらおこなうのがポイントです。

④長座体前屈

【合格基準】
身体の柔軟性を測るため、座った状態から足を伸ばして前屈します。受験者の男性平均は44.6cm、女性平均は47.7cm。どんなに固い人でも、最低40cmは超えたいところです。

【対策方法】
お風呂上がりや夜寝る前に、15〜30分程度のストレッチをして体を柔らかくしておきましょう。どんなに固くても、毎日30分を1ヶ月ほど続ければ徐々に柔らかくなってきます。

また、力を抜き、呼吸を整えながらおこなうことで、心を落ち着かせる訓練にもなります。本番で緊張しやすい性格の人は、鼻から息を吸い込み、ゆっくりと吐くことを意識しながらおこなうとよいでしょう。

⑤反復横とび

【合格基準】
小学・中学・高校の体力検査でおこなうやり方と一緒です。消防の試験では、20秒間で何回できるかを計測します。

男性なら50回以上、女性なら40回以上が合格ラインです。男性36回、女性30回以下は、不合格になる自治体もあるので気をつけましょう。

【対策方法】
体の軸がブレないように気をつけながら、下半身だけを左右に振るイメージでおこないましょう。

また、試験会場によっては滑りやすい場合もあります。事前に室内か室外かを確認し、状況に合ったシューズを準備することが大切です。

⑥立ち幅跳び

【合格基準】
助走をつけず、スクワットするように軽くしゃがみこみ、そこから両足で踏切って前方にどれくらい飛べるかを計測します。

記録は、体が地面に接した部分です。たとえば、後ろに手をついてしまったり、お尻がついてしまったりすると、どんなに遠くへ飛んでも記録が伸びないので気をつけましょう。

合格ラインは、男性215cm、 女性159cm程度です。男性180cm、女性140cm以下は不合格の対象となる場合があります。

【対策方法】
立ち幅跳びは、「手の振り」と「ヒザの曲げ伸ばし」から生まれる力を利用して前方に跳躍します。したがって、記録を伸ばすポイントは、「手の振り」と「ヒザの曲げ」を意識することです。

踏み切る際は、ヒザを十分に曲げ、両手を思い切り振って飛び出しましょう。その際、力を抜き、手が脇の辺りを通過するとき最大速度になるように意識するのがポイントです。

手の振り・ヒザの曲げ伸ばしのタイミングが合ってくると、自然と遠くへ飛べるようになってきます。トレーニングする際は、ヒザや腰に負担がかかりやすいので、地面が柔らかい場所を選んでおこないましょう。

⑦懸垂

【合格基準】
男性は高鉄棒を使って順手握りで「懸垂」、女性は低鉄棒を使って順手握りで「斜め懸垂」をします。

男性なら7回、女性なら13回以上は目指したいところです。懸垂は、一部の自治体でのみ試験がおこなわれていますが、消防士を目指すなら試験の有無に関わらずやっておいた方がいいと思います。

採用後、消防学校でも懸垂は毎日のようにおこないますし、ロープを使って高所へよじ登る訓練もあります。懸垂は、消防士の基本トレーニングといえます。

【対策方法】
ランニング時に、公園の鉄棒などでトレーニングをすると良いでしょう。一回もできないという方は、まずは鉄棒にぶら下がることから始めてみてください。

それに慣れてきたら、地面を蹴った勢いで身体を持ち上げる練習をしましょう。「足を地面に付けて、蹴って上がる」を繰り返していると、だんだんに懸垂に必要な筋力が養われていきます。

それも慣れてきたら、次は「斜め懸垂」に挑戦しましょう。斜め懸垂は、通常の懸垂よりも負荷が弱く(2分の1程度)、1回、2回しか懸垂ができない初心者に適したトレーニングです。

低めの鉄棒を使って、足を地面につけて斜めに懸垂することで、自然と通常の懸垂に必要な筋力もついてきます。

⑧バーピーテスト

【合格基準】
バーピーテストは、 俊敏性をチェックする種目です。直立姿勢から腕立て伏せの状態になり、再び直立姿勢に戻って1回になります。

10秒間で8回、30秒間で25回以上を目安におこないましょう。

【対策方法】
バーピーテストを、今までやったことが無いという方もいるのではないでしょうか。しっかり練習をしておかないと、本番で「全くできない…」といった事態にもなりかねません。

気をつけるべきポイントは、正しいフォームでおこなうこと。「腕立て伏せの時に、しっかりと前方を見ているか?」「背筋が沿っていたり、浮いていたりしないか?」の2点を確認しながらトレーニングしましょう。

⑨20mシャトルラン

【合格基準】
シャトルランや短距離走は、試験の最後におこなわれるのが一般的。1.5km走の代わりに、持久力を測定するためにおこなわれます。

男子なら40往復、女子なら25往復は目指したいところ。ただし、持久系のテストの場合、地域により基準がバラバラなので、正確な数値は各自治体の募集要項で確認してください。

【対策方法】
気をつけるべきポイントは、自分のペースで走ること。周りの受験生に乱され、自分のペースを乱してしまわないように注意しましょう。

消防士にとって、走ることは基本です。勉強の合間にランニングを取り入れて、しっかりとトレーニングを積んでおきましょう。

⑩1.0km走(または1.5km走)

【合格基準】
決められたペースで、1kmを列になって走ります。タイムの速さではなく、持久力を測ることを目的におこなわれており、基本的に前の人を追い抜くことはできません。

消防の仕事で必要なのは、瞬発力やずば抜けた筋力ではなく持久力です。男性であれば1,500mを5分40秒、女性であれば1,000mを5分以内で走れれば問題なく通過できるでしょう。

【対策方法】
勉強の合間に、毎日20分くらいランニングしましょう。地元の消防を受験するなら、消防署の前を通るルートで走るとモチベーションも上がりますよ。

また、普段から日常生活の中でよく歩き、階段を使うように心掛けるだけでも少しずつ鍛えられていくと思います。

体力試験の評価基準

体力試験の測定基準

体力試験では、すべての競技で平均以上の得点を取ることが求められます。たとえば、腹筋が100回できても、懸垂が1回もできなければ、その時点で不合格になってしまいます。

下記の表が、体力試験の評価基準です。すべての種目で3級以上の成績をあげ、総合得点でも3級以上(35〜48点)の成績をおさめれば、体力試験で落ちることはまずないでしょう。

各自治体ごとに試験内容は若干異なりますが、おおよその目安として参考にしてください。

体力試験の測定基準

体力試験の主要項目基準

体力試験の級別点数表

体力試験の級別点数表

まとめ

いかがでしたか。今回は、消防官採用試験の中でも「体力試験」に照準を合わせて解説しました。

体力試験は、消防職員として最低限の体力があるのかを見極めるためのもの。隊員になって現場でやっていけるかということよりも、採用後に消防学校の初任教育についていけるだけの体力があるかどうかを判断されます。

少なくとも、高校の体育系の部活で通用するぐらいの体力は備えておきたいところです。

思っている以上に、自分の身体は動いてくれません。筆記試験の勉強だけでなく、体力試験に関しても早目に取り組んで、しっかりと対策しておくことが大切です。

 

ほかにも、こちらの記事で、面接試験の攻略法について書いています。最近は面接を重要視する傾向が強く、配点の6割程度を占める自治体もあります。体力試験と合わせて、対策しておくことをお勧めします。

→【消防官採用試験】面接でよく聞かれる質問&回答例

また、こちらの記事では、過去10年間の出題傾向を分析し、「小論文対策」を効率よくマスターするための方法をまとめています。文章を書くことに苦手意識のある方は、参考にしてください。

→【消防官採用試験】短期間で伸びる!合格する論作文の書き方&対策まとめ
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